いい味出してるアップルパンチ。西武にとって外崎修汰の成長はでかい (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 現在も3番・森、4番・中村が好調なだけに、必然的にポイントになるのが5、6番だ。8月から6番、そして9月16日のロッテ戦から5番に入る外崎自身は、どう思っているのか。

「あまり考えないですね。前の3、4番が調子いいので、先制点を取ってくれるイメージがあるし。プラス、僕ががんばって追加点を取るのは意識します。僕が打てば、もっと楽な試合運びができるんじゃないかって」

"アップルパンチ"の愛称がお馴染みになった外崎は、青森のりんご農家で生まれ育ち、純粋培養されたかのようにマイペースだ。たとえ重圧のかかる試合でも、動じるところが見えない。加えて「チャンスの打席は好き」という前向きさもある。

「自分勝手な考えかもしれないけど、チャンスでは何でも振りにいける。とにかく点を取ればいいので、逆に結果を考えないと言うか。無死二塁なら考えますけど、一死三塁とか一、三塁なら、結構ガンガンいきます」

 プロ野球という熾烈な勝負の世界で、いい意味で、外崎のように自分本位で臨める者は強い。

 そんな男は大卒4年目の今季、大きく成長した。137試合消化時点で全試合に出場し、打率.271(リーグ14位)、25本塁打(同10位)、89打点(同5位)、21盗塁(同6位)。二塁手のベストナインになる可能性は高い。

 内容的にも大きな進化が見られる。とりわけそう感じさせられたのが、猛打賞を記録した9月16日のロッテ戦の後だった。

「今は調子が落ちないように踏ん張っている感じです。いい時は、何も考えなくてもヒットやホームランが出ます。その状態を続けていって、だんだん下がっていった時に、いい時をベースに少しずつバッティングが変化している感じですね。タイミングの取り方も調子がいい時と一緒だし、イメージのちょっとしたところだけを変えてやっているところです」

 長いペナントレースでは毎日、調子や環境が変わる。そうしたなかで、いかに自身の打撃を微調整していけるか。その際に重要になるのが「引き出し」だ。

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