ヤクルトは長期展望より目先の整備。
崩壊状態を救う即戦力投手が必要

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

2016年度ドラフト
寺島成輝(履正社→ドラフト1位)3試合0勝0敗/防御率2.25
星知弥(明治大→ドラフト2位)10試合1勝3敗/防御率8.53
梅野雄吾(九産大九州→ドラフト3位)66試合1勝2敗4セーブ/防御率3.56
中尾輝(名古屋経済大→ドラフト4位)12試合0勝1敗/防御率8.36
菊沢竜佑(相双リテック→ドラフト6位)登板なし

2017年度ドラフト
大下佑馬(三菱重工広島→ドラフト2位)28試合0勝2敗/防御率5.17
蔵本治孝(岡山商科大→ドラフト3位)8試合0勝0敗/防御率9.24
金久保優斗(東海大市原望洋→ドラフト5位)登板なし
沼田拓巳(石川ミリオンスターズ→ドラフト8位)登板なし

2018年度ドラフト
清水昇(国学院大→ドラフト1位)10試合0勝2敗/防御率5.79
市川悠太(明徳義塾→ドラフト3位)登板なし
坂本光士郎(新日鐵住金広畑→ドラフト5位)15試合0勝0敗/防御率4.15
鈴木裕太(日本文理→ドラフト6位)登板なし
久保拓眞(九州共立大→ドラフト7位)16試合0勝0敗/防御率5.73

 現時点で梅野がチーム最多登板と戦力として活躍したが、なにより痛いのは、このなかでローテーションの一角として期待できそうな兆しを見せてくれた投手がいないことだ。このままでは近い将来、シーズン100敗も現実味を帯びてくる。とにかく、今のヤクルトをなんとかしてくれる投手が必要だ。

 高校生は、星稜の奥川恭伸(やすのぶ/投手/右投右打)しかいない。しかし、4~5球団の競合になる可能性は大だ。ならば、明治大の森下暢仁(まさと/投手/右投右打)という手もありだが、こちらも間違いなく競合する逸材である。

 ならば、一気に社会人の伏兵・JFE西日本の河野竜生(かわの・りゅうせい/投手/左投左打)の単独指名に方向転換するのもありだと思う。「弱気」と言われようが、1年目から確実に使える投手を獲るしかない。それが今年のヤクルトの"基本姿勢"である。

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