平石洋介が振り返りたくない高校時代。
松坂の存在がその想いを変えた

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Jiji Photo

 目を背けたいはずの高校時代の話を、なぜそれでもしてくれるのか。背中を押すのは、やはりあの横浜との激闘である。

「(松坂)大輔の存在ですよね。高卒1年目から、プロの世界であれだけやってくれたこと。その後の活躍があるからこそ、あの試合が注目されるし、僕らにも興味を持っていただけるわけじゃないですか。実際に大輔だけじゃなく、横浜の選手もPLの選手も、技術の高さだけじゃなく、本当に深く考えて野球に打ち込んできましたから。僕も大輔から刺激を受けたし、自分で言うのもあれですけど、大学、社会人でそれなりの成績を残せて......だから、年が経てば経つほど、こういう取材は嫌じゃなくなってきました」

 完全燃焼できなかった高校時代。だからこそ平石の「もっと野球がうまくなりたい」という意欲は加速していく。そして平石は、尊敬するコーチが出た大学への進学を希望するのだった。

つづく

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