ロッテ・藤原恭大が見つめる自分。
「木製バットで試行錯誤している」

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

──今シーズン、開幕1軍を告げられた時の気持ちを振り返ってください。

「その時は、『やらないといけない!』という使命感しかなかったです」

──1軍での経験は、その後にどのように生かされていますか?

「1軍では、活躍ができないと1日があっという間に終わってしまう。そこで結果を残している選手たちのレベルの高さを知れたことで、自分の技術不足を実感することができました。プロ入り前までは、思うように打てない、守れない日がここまで続くことがなかったので、精神面、体力面の両方で疲労が溜まりますが、それを乗り越えて成長していきたいです」

──ちなみに、厳しいトレーニングの合間の気分転換はどのようにしていますか?

「あまり長い時間ではないですが、漫画を読むことですかね。最近では、『キングダム』の新刊を自分で買いに行きました(笑)。また、ファンの方から暖かくなるアイマスクや入浴剤などをいただくことが多いので、遠征時の移動や宿泊先で使わせてもらっています」

──藤原選手が目指す、プロで活躍するための選手像とは?

「打者としては、相手チームのエースが登板した際に最初の打席でヒットを打てるのがベストですが、少なくとも3巡目くらいにはしっかり対応ができることですね。守備では、ボールを確実に捕り、なおかつ"魅せるプレー"ができること。走塁はヤクルトの山田哲人さんのように、盗塁の失敗が少ない選手でしょうか。少し見ただけではわからない技術、感覚があると思うので、僕もそれを身につけたいです」

──同じ高卒ルーキーで、広島の1軍で活躍している小園海斗選手、8月31日の阪神戦で1軍デビューを飾った巨人の山下航汰選手のことをどう見ていますか? 

「小園はもう40試合以上に出場しているので、素直にすごいと思います。打率は2割2分くらいですが、僕は(1軍での6試合で)1割に乗るか乗らないかといった程度でしたから。山下は同じ大阪出身で、中学時代から大きな大会で活躍することで有名な選手でした。そこから身長がすごく伸びたわけではないのに、打撃をあそこまで進化させたことに驚いています」

──大阪桐蔭で共に春夏連覇を達成し、やはりドラフト1位で中日に入団した根尾昂選手については?

「直接プレーを見たわけではありませんが、僕と一緒ですべての面で苦労しているな、という印象です」

──藤原選手のことを「また1軍で見たい」というロッテファン、プロ野球ファンも多いと思います。シーズンの終盤、来シーズン以降に向けての意気込みを聞かせてください。

「『目標にする選手は?』と聞かれることもあるんですが、誰かの後を追うのではなく、自分としっかり向き合って成長していきたいです。そして、次に1軍に上がった時には、そこに定着できる選手になっていたいですね」

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