平石洋介がPLの同級生に告げられた21年目の真実。「救われた」 (4ページ目)

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • photo by Jiji Photo

 選手たちが8回の一連のプレーを共有した一方で、清水の視点は少し違っていた。

「冷静に考えるとおかしなプレーなんですよ。1ボール2ストライクでしょ。ストライクを放っておけばバッターは絶対にバットを振るわけですから。バッターオンリーでいいわけなんですよ。たとえ勘違いでベースから離れてしまったとしても、あそこはストライクを取ることが最優先。やっぱり、みんな冷静ではなかったんでしょうね」

 わずかな隙を突かれ、試合は振り出しに戻った。この時点で、この先、球史に残る死闘が繰り広げられるとは、誰も想像していなかった。平石はあらためて野球の怖さ、ワンプレーの大事さを実感させられた。

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