7番降格、何かが起きてる山川穂高。
本塁打&打点トップも不調が続く

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 長いトンネルの出口は、シーズン終盤になってもなかなか見えてこない。2年続けて本塁打王を狙う西武の主砲、山川穂高が苦しんでいる。

「いろいろやってきて、もう今季残り少ないじゃないですか。やる時間がないですね。試合に入ると、あれこれ考える時間も限られてくる。練習日とかがあれば、ちょっと考えてやることもできるんですけど、プロ野球のシーズン中って、そういう休みの日が週に1日しかない。ホント、必死でやって、今日も三振、ゲッツー、(本塁打を挟んで)三振なので......」

 8月15日のオリックス戦後、山川は苦しい胸のうちを明かした。

思うようなバッティングができず苦しんでいる山川穂高思うようなバッティングができず苦しんでいる山川穂高 4打数1安打に終わったこの日、山川はある意味、"らしい"本塁打を放っている。6回二死一塁から比嘉幹貴が外角低めに投じたボール気味のフォークに対し、右ひざをつきながらバットのヘッドを効かせて拾い上げ、レフトスタンドに突き刺した。こんな超人的な本塁打は、球界でも山川くらいしか打てない。

 だが、その表情は冴えなかった。

「あれが続く確率って、どれだけあるのか、という話じゃないですか。当然、あれがホームランになったという結果自体は、すごくうれしいけど......」

 あくまで曲芸のような一発で、再現性は低いというのだ。

 今季は開幕前の「50 発宣言」のとおり、3・4月、5月はいずれも月間11本塁打と好スタートを切った。しかし、6月には月間打率.271ながら5本塁打とペースを落とすと、7月は打率.173・4本塁打。6月30日時点で打率.275を記録していたが、8月18日には同.246まで下降した(今季の成績は同日時点、以下同)。8月11日のロッテ戦では7番に降格し、704日ぶりに定位置の4番から外れている。

 とはいえ、35本塁打・95打点はいずれもリーグトップである。本塁打はロッテのレアードが31本、打点はチームメイトの中村剛也が91打点で追い上げているが、果たして山川自身は現状をどう考えているのだろうか。

「去年、一昨年できていたことが、今年はできていない。でも、できていないなかで35本打てている。90打点以上挙げられている。うーん......。

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