今季中のNPB復帰は消滅も、西岡剛「野球を続けることに変わりはない」 (3ページ目)

  • 岡部充代●文 text by Okabe Mitsuyo
  • photo by Okabe Mitsuyo

── ロッテに入って、これからレギュラーをつかむぞ、という頃の感覚に似ているということでしたが、それはつまり、野球がもっとうまくなる、自分には伸びしろがあると感じているということですか。

「それはわからない。わからないけど、続けていれば進化していきますよね、人間は。もちろん、僕がプレーしたいと言っても、雇ってくれるとこがなければ野球はできないですが......ただ、僕自身はまだまだいろんな体験をしたいので、野球をすることだけは決めています。7月31日はNPBの区切りではありましたけど、僕自身がブレることはなかった。『今年は戻れなかった。明日からまた頑張ろう!』ですよね」

── もっと早い時期はどうでしたか。開幕からNPB復帰を目指してプレーしていたわけですが、なかなかNPB復帰がかなわない焦りとか......。

「焦りはなかったですよ。なるようにしかならないと思っていました」

── 達観していますね。

「続けてれば何か起こると思ってるんで」

── 打撃が好調ですが(8月18日現在、打率.345=リーグ8位)、独立リーグで数字を残していることに対してはどう思っていますか?

「何も思わないですね。成績もほとんど見てなかったんです。ちょっと前に後輩とメシに行った時に、『オレ、何割なん?』って聞いたくらいですから。そのあと『(リーグ)トップは?』と聞いたら、3割9分くらい打っているらしいんですよね(群馬・鹿沼柊汰が.391/8月18日現在)。そうなると、そこに行きつかないといけない。しかも、プロ野球経験者じゃない選手だと思うんで。後輩とのたわいもない会話から、僕は数字を意識してしまったんですけど、7月31日を過ぎても、残りのシーズンのモチベーションとしては、もっと上を目指すっていうのがありますよね」

── 阪神時代よりも、表情が穏やかになったように見えます。

「掛布(雅之/元阪神二軍監督)さんにも言われました」

── 別人......と言っては言い過ぎかもしれませんが、不思議な感覚です。

「プライベートはこんな感じなんですよ。だから、今はそのままの自分で野球をしてみようって感覚ですね。グラウンドに出ればピリッとしているようで『イメージと違う』ってよくチームメイトに言われます。『たぶん、NPBの時はお前らのイメージ通りやったと思うで』って言うんですけどね」

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