斉藤和巳が語る和田毅の凄さ「細部までこだわっていろいろ考えてる」 (2ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • photo by Kyodo News

――たとえば、どんなことを?

「ピッチングやトレーニング、体のことなど、野球のことを話し出したら止まらない。僕も勉強になりました。和田は本当に練習の虫で、走る量がすごく、僕よりもはるかに走っていました。厳しいトレーニングを継続してきたから、30代後半になってもプロの第一線でやれるんでしょうね」

――斉藤さんが若い投手陣の先頭に立ち、彼らと共に強いホークスをつくり上げましたね。

「初めは余裕がなかったんですが、そのうち少しずつ周りが見えるようになって、『チームが勝つためにどうすればいいか』と考えるようになりました。彼らにも厳しいことを言いましたね」

――2003年には20勝3敗、防御率2.83という成績で、投手部門のタイトルを総なめにしました。"松坂世代"への思いは変わりましたか?

「そのシーズンのオフも、松坂がたくさんテレビに出ていましたからね。どれだけいい成績を残しても、知名度では勝てない。だから、成績だけでも彼らに負けないように、『勝ち続けないと』という意識はずっとありました」

――2006年には18勝5敗、防御率1.75で、最多勝、最優秀防御率などのタイトルを獲り、2度目の沢村賞を受賞しました。ところが、2007年のシーズン後は、肩の手術・リハビリのために戦列を離れ、復帰できぬまま2013年に引退。一方で、ホークスの10年間で107勝を挙げた和田投手は2011年オフにFA権を獲得してアメリカに渡りました。

「(和田は)メジャーでは苦労しましたね。とにかく、和田、杉内、新垣の3人とは切磋琢磨してきましたから、僕にとって特別な存在です」

――ホークスに戻った和田投手は2016年に最多勝、最高勝率のタイトルを獲りましたが、その後、ひじ、肩を痛め、2018年は登板機会なし。しかし、2019年6月に2年ぶりの復活勝利を挙げました。

「やっと勝ちましたね! 復帰登板の前には連絡を取り合っていましたよ。ベテランになると、ピッチャーはケガとも戦わないといけない。(和田の)復帰後の初勝利は、うれしいというよりも、ホッとしましたね」

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