ロッテ・鈴木大地、泣きそうになってからの
今季前半の好調を自己分析

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

──そこから開幕6戦目には早くもスタメンで起用され、打率3割前後をキープするなど活躍を続けています。本塁打も、すでにキャリアハイとなる12本を放っていますが、今季からホームスタジアムが狭くなった影響が大きいですか?

「そうですね。フェンスも低くなったので、僕も『これがフェンスオーバーするのか』と思うことが多々あります。チーム本塁打も増えていることはいいことですが、ロッテは西武などと違って"打ち勝つ"チームではありません。ホームラン数を気にすることなく、地に足をつけて1点をもぎ取っていくスタンスを変えずに戦っていこうと思います」

──守備面ではいかがでしょうか。

「外野を守っているときには、すぐ後ろにフェンスがある感覚です。ホームランを打たれるリスクもある一方で、外野手の間を抜けた打球に早く追いついて本塁で捕殺できる確率も高くなしましたから、より連係プレーを大切にしたいですね」

──今季、大地選手はファーストを中心に内外野の複数のポジションを守っていますが、ここまで失策数は1と安定した守備を見せています。

「いろんなポジションを守るからといって、ミスが許されるわけではないですから。投手陣も昨年とは違った新しい投手が一軍で活躍するようになり、競争が激しくなっています。命をかけて投げている投手陣の姿には勇気づけられていますし、中途半端な気持ちで守ることがないよう、意識づけを徹底しています」

──ロッテだけでなく、パ・リーグ全体で変化を感じることは?

「まず思い浮かぶのは、日本ハムの(中継ぎ投手を先発に起用する)オープナーの導入ですね。次々と新たな投手が出てくることへの対応の難しさもありますが、抑えられていた投手がすぐ替わってくれることに『ラッキー』と思うことも。有効な戦術かどうか、日本ハムも今季のデータが揃わないとわからないところでしょうが、来季以降に球界全体に広がる可能性もあるでしょうね。

 それと日本ハムは、極端な守備シフトも敷いています。普通だったらセカンドゴロなのがサードゴロなったりするので、ファンの方たちにとっては新たな観戦の楽しみが増えたんじゃないかなと思います」

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