西武・平井克典の投げすぎ問題。イニングまたぎ平然も壊れないか心配だ (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 開幕前から目標として立てていた70試合登板に、着々と近づいている。

「今のペースで順調にケガなくいき、シーズンをやり通せればいける数字だと思います。でも、数字にこだわらず、先を見ずにやっていきたい。1試合、1試合と思って」

 このままひとつひとつ積み重ねた先に、宮西の背中はぼんやり見えてくる。初めて臨むオールスターで、平井は偉大な先輩と話せる機会を楽しみにしている。

「右と左で違いますけど、勉強したい気持ちがすごくあります。ピンチでもさらっと出てきて、さらっと帰る人ですしね。ここ何年間かずっと続けて活躍している人なので、野球以外のところでどういうことをしているのか、勉強して見習いたい。『今、パ・リーグを代表する中継ぎは?』と言われたら、『宮西さん』と言う人が多いと思います。いろいろな面で超えたい人ではありますね」

 平井にとって、「宮西超え」の道は始まったばかりだ。5年、10年と投げ続けて、初めて肩を並べることができる。

 壮大な目標を達成するには、使う側の腕も極めて重要になる。平井自身、過去2年で42試合、64試合と投げてきた勤続疲労は「なくはない」と言うように、リリーバーが10年以上続けて活躍するには、選手とベンチが合理的な起用法を通じて信頼関係で結ばれ続けることが不可欠だ。

 ルーキーイヤーから順調に力をつけ、27歳の今季、平井はオールスターで眩しいスポットライトを浴びる。偉大なリリーバーへのスタート地点に打たれた点が、長く、太い線となって伸び続けることを願うばかりだ。

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