中日・高橋周平が体の動き方改革を実施。1本のファウルが契機だった (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

 高橋は今、グリップを一握り余らせて、バットを短く持っている。本人は「意識していない」と言うのだが、構えに入る直前、右手をいったんグリップエンドにぶつけるように動かして、短く持てているかどうかを確認している。その上で本来の持ち味であるタイミングとポイントで打つことを、一球ごとに意識しているのだ。

「5月にあれだけ打てて、6月以降も落ち着いたものを出せている実感があるので、一喜一憂しなくなりましたね。子どももいますからイライラしてもしょうがないし、普段も『子どもがいるから』と思うようになりましたね。子どもがいるからこうしよう、とか、子どもがいるんだからこれはやめておこうとか......」

 試合が終わったら早く帰ろう、とか──

「もちろん、そうです」

 25歳の高橋周平はそう言って、はにかんだ。

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