DeNAロペス「悪送球されてもいい」。坂本勇人と語り合った守備論 (2ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ロペスは巨人で2年間プレーしたが、守備に関して影響を受けたのが、ショートを守る坂本勇人だったと言う。

「坂本の守備はすごい。毎日見るのが楽しかったし、刺激になりました。彼とはよく守備について話した覚えがあります。彼も含めて、内野手が『ロペスに送球しやすい』と言ってくれれば、本当にうれしい。言い方は変かもしれませんが、悪送球されてもうれしいんです。だって、それを捕球すればアウトになりますから。チームメイトを支えるのは自分の仕事です」

 2015年にロペスはDeNAへ移籍した。一塁手として試合に出るためには、もっと高い守備力を目指すべきだと、ロペスは感じていた。

「横浜に移籍して、今まで以上にノックを受けるようになりました。毎日ノックを受けたら、守備力がもっとアップすると思ったのです。いい練習をしたら、自信を持って試合に臨むことができます。ジャイアンツの2年目とDeNAの1年目はゴールデングラブ賞が獲れなかったので、もっと努力しないといけないと思いました。2016年から3年連続で獲得していますが、簡単なことではありません。汗を流さなければ受賞できないと思っています」

 ロペスは野球が盛んなベネズエラ出身。しかし、野球を始めたのは9歳とほかの子どもと比べてやや遅かった。しかも、右利きのロペスは最初にグラブを右手にはめようとした。「それぐらい野球のことがわかりませんでした。でも左手に変えて試してみたら、もっといい守備ができるとわかりました」とロペスは笑う。

 大きくなって、ロペスはクリーブランド・インディアンスのファンになった。なかでもベネズエラ出身の遊撃手、オマー・ビスケルとプエルトリコ出身のセカンド、ロベルト・アロマーの名二遊間コンビの守備力に目を奪われた。その時、守備の大切さに目が覚めたとロペスは言う。

 昨シーズン、来日してから4度目のゴールデングラブ賞を獲得した。初めて受賞した時の記念品はベネズエラの実家に飾り、2度目の受賞の品はアリゾナの自宅に飾った。そして3度目に受賞した時の記念品は、まったく別のところに飾ってある。

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