日ハム「MLB流戦術」の是非。井端弘和「有効かどうかわからない」 (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

──大田選手は、"見た目"も大きく変わりましたね(笑)。

「金髪NGの巨人時代から憧れていたのか、移籍してすぐに明るい髪色にしましたよね。今の色は中途半端なので、まぶしいくらいの金髪にしてしまってもいいと思いますけど(笑)。それは半分冗談ですが、いい意味で"勘違い"をするくらいのほうが、大田にはプラスに働きそうな気がします。ずっと調子に乗り続け、チームを背負う選手にまで成長してほしいです」

── 一方で、投手陣でポジティブな要素はありますか?

「2017年にヤクルトから移籍した杉浦(稔大)ですね。映像で『日本ハムに素晴らしい投手が入ったなぁ』と見ていたら、ヤクルトにいた杉浦ということがわかって驚いたのを覚えています。最大の魅力はストレート。球威で押すソフトバンクの千賀(滉大)とはまた違う、糸を引くような美しいボールを投げています。現在は、故障明けということもあって球数制限を設けながらの登板になっていますが、杉浦が1年を通して活躍できれば、大きな戦力になるでしょう」

──今季の日本ハムは、中継ぎ投手を先発に起用する「オープナー」や、極端な守備のシフトなど、"MLB流"の戦略が注目されていますが、それらをどう見ていますか?

「新しい試みは、大谷翔平の"二刀流"のように、少なくとも1年を通した結果を見てからでないと判断しにくい部分があります。ただ、MLBでは定着していても、プロ野球で有効かどうかわからない戦術を最初に取り入れる勇気と決断は、それだけでも評価に値するものだと思います。日本の野球の幅を広げるきっかけになるといいですね」

──シフトを敷く場面は、オリックスの吉田正尚選手や西武の森友哉選手など、特定の選手に限定されていますね。

「そこもヒットを防ぐことができた確率や、シフトが有効な打者を見極めながら実施していくことになるでしょう。ただ、シーズン終盤やクライマックスシリーズなどの"絶対に落とせない試合"では、シフトは敷かないんじゃないかと思います。そういった試合では、打者がセーフティバントで野手のいないところを狙う戦略を取ることも考えられますし、当たりぞこないの打球が飛んで失点をするようなことがあると、特に短期決戦などではそのショックを引きずる恐れもありますから」

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