井端弘和が効率の悪い中日打線に喝「漠然と打席に入るのが一番ダメ」 (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

──先発投手陣についてはいかがですか?

「開幕投手を担った笠原(祥太郎)の離脱は、本人にとってもチームにとっても想定外のことだったと思います。そんな中、昨季2勝の柳(裕也)、昨季0勝に終わった大野(雄大)がすでに3勝しているのは心強いですね。柳は打者を圧倒するような球はないですから、バリエーションとコントロールで勝負するタイプ。昨季から良い時と悪い時の差がはっきりしている印象がありますが、とにかく今季はシーズンを通して先発ローテーションを守り、投球を重ねることで成長していってほしいです。

 大野に関しては、今季は大量失点での負けが少なく安定しています。真っ直ぐに球威があって、それを狙われても痛打される場面はあまりない。怖いのは、ツーシーム系のボールに頼るようになって、それが曲がらずに真ん中に入ったボールを打たれること。決して楽をせず、真っ直ぐ中心のピッチングを続けることが重要ですね」

──投手陣を支える捕手は、昨季まであまり出番に恵まれなかった5年目の加藤匠馬選手の起用が多くなっています。井端さんの評価はいかがですか?

「配球が単調になることもありますが、リード面は経験の積み重ねがモノを言うので、そこは首脳陣も覚悟のうえで起用していると思います。現時点では、最大の武器である強肩で投手を助けることができれば十分でしょう。投手陣を『クイックをしっかりやれば、盗塁を阻止してくれる』という気持ちにさせることが、チーム全体を安心させることにつながります。

 昨年まで(巨人の一軍内野守備走塁)コーチとしてベンチにいた時は、捕手の肩が弱いと、『いつ盗塁されるのか』と心配でした。特に、僅差で試合の終盤などに走られてしまうのは首脳陣もすごく嫌なんです。小林(誠司)は肩が強いという信頼があったので、盗塁されても『投手の牽制が甘かったのだろう』という感じでしたけどね。加藤にも、盗塁阻止という点で小林のような存在感が出せるように頑張ってもらいたいです」

──今季から指揮を執る、与田剛監督の采配の印象は?

「代打や投手交代など、決断が早いです。チームを活性化したいという狙いがあるのでしょう。ケガ人が出ていることもあって、打順に関しては試行錯誤が続いているように感じます。1番から3番までも入れ替えが激しいですが、そこは早く固めたいところですね」

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