ライバル球団のエース、主力が証言。丸佳浩を加えた巨人打線の危険度 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 現在、首位の巨人を追いかけるヤクルトの選手たちにも聞いた。エースの小川泰弘は次のように語る。

「丸さんが入ったことで、単純に打線としての分厚さを感じました。去年までクリーンアップだった選手が下位にいたりしますからね。丸さんは2年連続リーグMVPの選手ですし、選球眼もよく、長打もあり、つなぐバッティングもできる。今まで"分断"できていたものが、なかなか難しくなってきたなという印象です。もちろんストレスは感じますが、そのことで気持ち的に引いてしまったら、それこそ相手のペースですからね。自分のピッチングスタイルである大胆かつ慎重に......その姿勢を崩さなければ結果はついてくると思っています」

 今シーズンの飛躍が期待される原樹理は「シンプルに、2年連続MVPの選手が巨人打線に加わったということですよね。僕もそうですが、ほかのチームも苦労していますよ」と苦笑いした。

「すごいのは丸さんだけじゃなくて、ビヤヌエバ選手も打ちますし、岡本(和真)選手もいて、さらに亀井(善行)さんもいる。なにより、坂本さんと丸さんの並びはストレスですよね。でも、すごい打線だからこそ粘りのピッチングをするしかないのかなと。ゼロに抑えることがベストですが、失点したとしてもいかに最少失点で粘れるか。打線として考えず、ひとりひとりしっかり打ち取っていくイメージです。この前の試合(4月23日)では負けてしまいましたが、連打がなかったので6回を3失点に抑えられたのかなと。巨人打線に限らず、今年はどのチームも打ちますからね。ランナーをためてからのホームランを最もケアしています。丁寧に低めに投げて、時には高めに強くですね」

 今シーズン、ここまでヤクルトは巨人と6試合対戦し、3勝3敗と互角の勝負を繰り広げている。正捕手の中村悠平は、今シーズンの巨人戦についてどんな印象を持っているのか。

「やっぱり嫌ですよ。坂本さんと丸さんが並ぶケースが多いので、よーいドンで2点取られる可能性もある。それに下位打線をしっかり抑えないと、ピンチで坂本さん、丸さんに回ってしまう。非常に厄介ですよね。とはいえ、そこまで気にしてしまうとダメなので、ひとりひとりを打ち取っていくしかない。そのことを今までよりも強く意識してやっています」

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