井端弘和が広島の低迷をズバリ分析。タナキクのやっかいさが消えた (3ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

──選手の中にも"けん引役"が必要だと思いますが、昨シーズンまでそれを担っていた新井貴浩さんが引退でチームを離れました。やはりそこは不安材料でしょうか。

「問題ないと思いますよ。鈴木にその覚悟を感じますし、菊池、選手会長の會澤(翼)などにも『俺がやる!』という意志が見えます。広島には核になれる選手が多いので、試合を重ねるごとに結束力が増していくでしょう」

──チームが低迷しているときに、選手が意識すべきことは?

「とにかく"落ち着く"ことです。これまで自分が残してきた成績や経験を見つめ直し、今やるべきことを考える時間があっていいと思います。また、他のチームの戦い方を冷静に観察することも必要です。開幕から勢いよく突っ走っているチームでも、その疲れが出て失速する場合もありますし、出だしが悪くても手探りで戦いながら調子を上げていくチームもある。今年の広島は後者でしょうから、まずは自分たちの"今シーズンの戦い方"を固めることに専念してほしいです。

 昨シーズンも5月に入って調子を落とし、交流戦では5連敗を喫したことがありました。今シーズンはそれが、たまたま開幕にきただけかもしれない。いずれにせよ、現時点の借金7はすぐには返せません。攻守が噛み合ってきたときに5連勝、6連勝くらいできる底力が広島にはあります。決して焦らず、7月のオールスターまでに勝率5割に戻すことを目標にしてそれを達成できれば、そこからさらに上位を目指すことは十分に可能だと思っています」

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