育成時代から千賀滉大を最も知る男が語る「161キロのメカニズム」 (3ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 日本球界の最速と言えば、大谷翔平投手(エンゼルス)の165キロです。プロ9年目、ここにきて急成長を見せている千賀投手には、どんな未来が待っているのでしょうか。

161キロが出たということが話題になっていますが、それは理想のフォームを追求するなかでも副産物でしかありません。彼自身も言っていますが、これまで球速表示にこだわって取り組んだことは一度もなかったですし、これから先もないでしょう。

 ただ、千賀滉大という投手は、まだまだ"のびしろ"があると思っています。彼は現在26歳です。今からですよ。人間の体は27歳を過ぎた頃から変わり始めると言われています。体が固まり、本当の意味で大人の体となっていきます。

 体が固まっていくことで可動域は狭くなり、スピード系からパワー系に変化していきます。だけど千賀投手はもともと人並み外れた柔軟性の持ち主です。これから筋力はしっかりついてくるでしょうし、狭くはなっていきますが柔軟性もある。可能性という意味では、ここから本物になっていくでしょうね」

 今シーズンはもちろんだが、来年には東京五輪も待っている。2017年のWBCで世界に衝撃を与えた「SENGA」が発揮する本物のピッチング。それが見られるのはこれからだ。

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