2019.03.26

ヤクルトの頼れるベテラン4人衆。
目指すは「世代融合」の攻撃野球

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ヤクルトの春季キャンプ中(沖縄・浦添市)、青木宣親(37歳)、雄平(34歳)、ウラディミール・バレンティン(34歳)、坂口智隆(34歳)は”ランチ特打組”として毎日を過ごした。午前中の守備、走塁などの全体練習が終わると、野手陣はランチ休憩の時間となるのだが、4人はメイン球場でのバッティング練習で汗を流した。そして午後からのチーム全体練習が始まれば、室内練習場へ移動して、今度はマシンを相手にバットを振り込んだ。

「このキャンプで、僕はほとんど彼らの練習を見ていません」

 小川淳司監督の言葉からは4人への信頼の厚さが伝わり、オープン戦終盤にきっちり仕上げてきた姿を見れば、頼もしさは増すばかりだ。4人の練習風景は、まさに「成熟した」という言葉がピッタリで、個人でバットを振り込むほかに、バッティング談義に花を咲かせていた。

チームの精神的支柱でもある青木宣親 宮出隆自打撃コーチは”ランチ特打”の意図について、こう説明してくれた。

「青木、雄平、坂口は放っておいても練習しますからね。むしろ、やりすぎることもあるほど。ベテランですし、実績も十分なので自主性に任せられるということですよね。実際、責任感を持ってやってくれていますし、バレンティンも『3人がやるならオレもやる』といった感じで、相乗効果というか、僕にはそう見えました。コーチとしては、あとはケガをせずに開幕に合わせてくれればいいと」

 開幕を目前に控えた4人のベテランたちは、準備万端といったところだ。

 坂口は「ひとりで黙々と考えながら練習できる時間をいただけたのは、すごく大切な時間でした」と、今回のキャンプを振り返った。

「自分のやりたいことをしっかりすることができました。数もこなせたので『やっておけばよかった』という思いがなく、オープン戦の成績とかは関係なく、ここまで順調にくることができました」

 昨年、チームはシーズン途中から1番・坂口、2番・青木の打順を固定。彼らの熟練したバッティングは、打線に安定感をもたらした。

「打順が何番だろうと、自分の役割は変わらないです。打率も出塁率もそうですが、凡打のなかにでもチームに貢献できることはあります。そこを意識しながら次の打者につなげていきたい。そこは一貫しています」(坂口)