逆転の発想で甲斐拓也が挑む究極捕手像「盗塁阻止より企画させない」 (3ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― プロでは育成枠から這い上がってきました。"育成の星"と呼ばれることもありますが、そこに誇りを感じることはありますか。

「星ではないですし、そこに関してはなんとも思わないです。ただ、ホークスに入ってから(支配下)ドラフトの選手には絶対に負けたくない、という気持ちでやってきました。育成としてじゃなく、早くひとりの選手として見てくれと思ってやってきました」

―― 去年やれたのも、まだまだ上を目指さないといけないという思いがあったからでしょうか。

「だって、まだまだですもん。柳田(悠岐)さんみたいな成績を出したらいいですよ。とてもじゃないけど......」

―― 2019年はどこを磨いていきたいですか。

「打って、チームに貢献したいですね。去年もそう思っていましたが、全然貢献できなかった。チームが勝つために、打つ方でもなんとか頑張りたい。その力をつけたいです」

―― 打つことに関して、昨年から変えたことはありますか。

「バットは変えました。二軍の時に使っていたタイプに戻しました。細くて、長さは普通ですかね。そんなに重くないものを使用しています」

―― 王(貞治)会長からは「打たなきゃ稼げない」と言葉をかけられていました。

「それはすごく実感しました。捕手は2割5分でいいと言われるけど、実際にそれで満足できるのか......そうではないと思うんです。だから、2割8分が目標です」

―― ところで、打席のシルエットを確認すると、一軍で出始めた2年前とまるきり違います。下半身がとくに大きくなっていて驚きました。

「自分でもそう思います。なぜ大きくなったのかはわからない。キャッチャーの動作はスクワット運動みたいなものだから、勝手に大きくなるんじゃないですか(笑)。ただ、体づくりのところも求めてはいます」

―― そして捕手というのは、やはりリード面が重要になると思います。いいリード、いい捕手について、甲斐選手はどのように考えていますか。

「うーん、勝てばいいんじゃないですか。それが一番わかりやすいキャッチャーの評価だと思います。どんなにいいリードをしても、試合に負けたら意味がない。勝つことがすべてだと思います」

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