2019.02.24

ヤクルト石川、寺原、近藤が運命的邂逅。
01年ドラフト、驚きの秘話

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sportiva

石川 テラがいなければ、予定どおり巨人に入団できた、という恨みはまったくないからね(笑)。今は本当にヤクルトの選手でよかったと思っている。当時、もしほかの球団に行っていたら......と想像すると怖いよね。でも、みんながうまいこといって、18年経って同じチームになった。面白い縁だよね。ふたりの存在はもちろん知っていたけど、話す機会はそうなかったからね。

寺原 近藤とはオリックスで一緒になって、しゃべったことはありましたが......石川さんのことは知っていましたけど、話す機会は全然なかったですからね。イメージのなかでの人しかなかったです。無口でクールな人だと思っていたら、すごくしゃべるのでビックリしました(笑)。

石川 そうなんだよな。オレは「イメージと違う」ってよく言われる。

寺原 ピッチングも黙々と投げて、抑えても「ウォー」って叫ぶタイプじゃないと思っていたんですよ。

石川 めちゃめちゃ熱投派だからね。打たれれば「クソーッ」って腹が立つし......。それにしても、近藤がこの経緯を知っているのに、どこに行ったんだよ。

その声が聞こえたのか、目の前のブルペンの死角から、近藤がきょとんとした表情でこちらを見つめていた。)

石川 あっ、いた。なんでそこにいるんだ。探してたんだよ。早くこっちに来てよ。

近藤 (話は)どこまで進みました?

石川 ざっくりだね。オレは巨人への逆指名がほぼ決まっていたんだけど、ヒジのケガもあり、難色を示して、「寺原でいこう」となったというところまで。結局、当時は(手でピラミッドの形をつくり、上に)テラがいて、その下にオレたちがいたというね。

近藤 そうですね。テラがいて、石川さんがいて、やっと僕がいるんです。

石川 巨人の話がなくなったなかで、ヤクルトと近鉄がすごく熱心に声をかけてくれて、本当に迷った。近鉄のスカウトだった中川(隆治)さんは青学のOBだし、当時はプロ野球のキャンプにアマチュアの選手が参加することがあって、僕は近鉄のキャンプに参加させてもらった。その時に梨田昌孝さんや小林繁さんから「すごくいいよ」って言ってもらったことがあって......。でも、最終的には古田(敦也)さんにボールを受けてもらいたいという思いが強くて、ヤクルトに決めたんだよね。