与田剛監督が描く根尾昂の未来像「二刀流の可能性はゼロではない」 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sportiva

── 今年はプロ8年目のドラ1、高橋周平選手をキャプテンに指名しました。

与田 そうですね。彼も今年、25歳になったばかりなんですよ。そういう若い彼がキャプテンになることで、チームの雰囲気が変わっていくことを期待しているんです。

── 去年のドラフト1位、根尾昂選手については、どういう方向へ育てていきたいとお考えでしょう。

与田 根尾はドラフト会議のだいぶ前からドラゴンズとして1位で指名すると決めていた選手なので、彼については、迷いはありません。とにかく15年、20年、スターとしてプロ野球の世界でプレーしてもらわなくちゃいけない。ずっとドラゴンズのユニフォームを着てもらってもいいし、メジャーでも構わない。他球団から「ウチに欲しい」と言ってもらえる選手に育てていかなきゃいけないという責任をすごく感じています。

── そのために、根尾選手の二刀流への可能性を、監督は持ち続けているのでしょうか。

与田 二刀流については、よく大谷翔平選手と比較されていますが、僕は大谷のことは根尾とは比べていないんです。私がいつの日か、根尾が二刀流をすることによって15年、20年、スターでいられるという判断をすれば、推薦するかもしれません。つまり、選択肢としてゼロではない。ただ、今、その発想は私の中にはありません。15年、20年、プロ野球界のスターとして輝いてもらうために、1年目から二刀流をやったほうがいいとは思っていないということです。

── 監督は現役時代、抑えとしてドラゴンズファンにインパクトを与えた半面、ケガに苦しみ、トレードや戦力外通告でテストを受けるなどして、いくつもの球団を渡り歩きました。そういう光と影の経験から、今の選手たちを見ていて、こういうことに気づかなきゃいけない、これをやらなきゃいけないということがあるとしたら、それはどんなことでしょう。

与田 自分を素直に見て、今の自分に必要なことの優先順位をちゃんと考える、ということですね。優先順位を考えて準備する、ということに尽きるんじゃないでしょうか。

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