2019.02.16

広島・山口翔を沢村賞コーチが絶賛。
「2年目のブレイク」再現なるか

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 現在セ・リーグ3連覇中の広島だが、昨シーズンの戦いを振り返ると、新戦力の台頭が大きな原動力になったと言っても過言ではない。

 打者であれば4年目にして初の規定打席に達し、打率.286を残した野間峻祥(のま・たかよし)が筆頭格であり、投手であればシーズン前半に育成から支配下に昇格し、8月にはプロ野球タイ記録となる月間18試合登板を果たしたヘロニモ・フランスアの名前が挙がる。

 そしてもうひとり忘れてならないのが、2016年のドラフトで5位指名され入団した196センチの大型右腕・アドゥワ誠だ。53試合に登板するなど中継ぎとして定着し、6勝2敗5ホールドと2年目のブレイクを果たした。

2年目の今シーズン、一軍昇格とプロ初勝利を目指す広島・山口翔 そんなアドゥワのサクセスストーリーを目の当たりにし、同じ”2年目のブレイク”を誓うのが山口翔である。広島の偉大なOBである前田智徳と同じ熊本工出身で、2017年のドラフトで2位指名された最速151キロ右腕だ。入団1年目の昨年は、一軍登板はなく、二軍で5試合に登板して1勝2敗。21イニングを投げて被安打23、失点17(自責点15)とプロの洗礼を浴びた。それでも19個の三振を奪うなど、非凡な才能は見せつけた。

 そんな山口だが、素材の高さを買われ、この春のキャンプでは一軍メンバーに名を連ねた。山口をプロの世界に導いた末永真史スカウトが「腕の振りは一級品。とりわけヒジの柔らかさはプロの世界でも屈指のレベル」と絶賛するように、球団から大きな期待を寄せられている。

 山口は初日からブルペンに入り、捕手を座らせて71球を投げ込んだ。ピッチングを終えた山口は手応えをつかんだ様子で「もちろん去年とは緊張感がまるで違うキャンプインになりましたけど、今までと違う山口翔を見せたいんですよね」と力強く語った。山口の言う「去年までとの違い」は、制球に苦しむことなく常にストライクを先行させ投手優位のピッチングを指す。