ファーム二冠の6年目、巨人・和田恋には岡本和真と違ったよさがある (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 今季の巨人外野陣は丸のセンターが確定的で、レフトとライトを実績のあるゲレーロ、陽岱鋼、亀井善行、中堅・若手の石川慎吾、立岡宗一郎、重信慎之介、松原聖弥、そして和田が争うことになりそうだ。また、昨季MLB20本塁打を放った新外国人内野手・ビヤヌエバが外野を守る可能性もある。越えなければならないハードルは依然として高くそびえている。

 4年連続で優勝を逃しているとはいえ、常に優勝を求められるのが巨人という球団の宿命。それゆえ注目を浴びること、競争が激しいことは和田も重々承知している。

「僕は18歳から巨人にいるので、もう慣れました。最初はメディアの数に戸惑いましたけど、もうそういうものだと思っています。でも、FAやトレードでやってきた選手からは『巨人はすごい』とよく聞きますね」

 昨季はわずか5試合、8打席ながら初めて一軍の舞台も経験した。「積極的に振りにいこう」という意識が強過ぎるあまり、ボール球に手を出して8打数1安打。結果は残せなかったが、この経験は和田にとって貴重な糧になった。

「僕は一軍と二軍の差は、実力以上に雰囲気が一番大きいと思っています。お客さんも多い独特な雰囲気のなかで、『1打席、1打席無駄にできない』と強く思い過ぎて空回りしてしまう。でも、今まで二軍の雰囲気しか味わっていなかったなか、去年は初めて経験できたので、今年につなげていきたいです」

 はたして和田恋は岡本和真と中軸を任されるだけの打者になれるのか。勝負の6年目はすでに始まっている。

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