レギュラー獲りだけじゃない。ロッテ三木亮はベンチ内の主役も目指す (4ページ目)

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Kyodo News

「みきてぃー!」というファンおなじみのフレーズも、少しでもチームを明るくしようと思ってのことであり、いじられることは百も承知である。

 真剣にムードメーカー役に徹しようとする姿に、昨シーズン一度もファームに落ちなかった理由がわかったような気がした。

「それまでも声は出しているつもりでいたんですけど、負けている時はどうしても自分のことだけに集中しすぎている感じで、その役に徹しきれていなかった。それをスタメンの選手にやれというのも難しいじゃないですか。そこはスタメンで出ていない人間が率先してやらなきゃいけないと思います。もっとベンチ内を活性化して、相乗効果となって、チームをよくしていく。それも必要かなって......」

 昨シーズン限りで、岡田幸文、金澤岳、根元俊一といった3人のベテラン選手が引退した。彼らは背中で、時には態度でチームを引っ張っていた、ある意味チームの顔である。その役割を今後は誰かがしていかなければいけない。三木の取材を続けていくうちに、その役割を彼なら果たしてくれるのではないかという気がしてきた。

「普段の立ち居振る舞いですよね。試合に出ても出なくても、いつもと同じスタンスというか、変わらない。そういうところを見ている人が必ずいると思うので......」

 三木の目指す先は、もちろんレギュラーである。しかし、レギュラーであろうとなかろうと、三木がチームのためにすることは変わらない。2019年、何かが変わり始めようとしているロッテ。三木もまた、そんなチームの間違いなくキーマンである。

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