レギュラー獲りだけじゃない。
ロッテ三木亮はベンチ内の主役も目指す

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Kyodo News

 他球団の選手や実績のある先輩たちと練習することで、新しい発見があったり、引き出しを見つけたりすることもあるだろう。三木はそういった自主トレのやり方を否定しているのではない。

「もちろんいろんな人の話を聞いたりして収穫はあるでしょうし、それでよくなることもあると思います。ただ、悪くなる可能性もゼロではないと思うんです。そうなった時に、結局責任を取るのは自分なわけじゃないですか。だったらひとりでやって『アカンかったらしょうがない』と思えた方が、まだあきらめがつくと思うんですよね」

 一昨年のシーズン、三木はショートのレギュラーポジションをつかみかけた。開幕スタメンは中村だったが、それでも少ないチャンスを確実にものにしてきた三木は、5月18日の西武戦以降、ショートのレギュラーに定着した。しかし、8月24日の楽天戦で右手に死球を受け右手の指を骨折。全治3~4週間の診断を受け、戦線離脱を余儀なくされた。

 再起をかけた2018年シーズンも、ルーキー藤岡のインパクトに押され、再びバックアップ要員となった。代走や守備固めなど試合途中での起用が多くなり、ポジションもかつてレギュラーを任されたショートではなく、ファーストや外野での起用がほとんどで、ライバルと競い合うまでには至らず、歯がゆい日々を過ごすことになった。

 そんな現状について、三木は次のように語る。

「(藤岡と)打つ方もそこまで負けているとは思えないし、守備だって劣っている感じはしない。さすがに肩は藤岡の方がすごいですけど。でも、使うのは監督なので結果で示すしかないです」

 その藤岡の強肩に対抗するため、三木は捕球から送球までの早さ、打球への入り方にも工夫を加える。

「地肩の強さは持って生まれたものだと思うので、そこをカバーできるとしたら捕ってからの早さ、切り替えの早さしかないと思うんです。捕ってからのワンステップだったり、すぐに投げるための打球への入り方だったり、そこを工夫する。それがよくないと一発でボールを投げられないと思うので、そこを意識するようになりました」

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