輝星、幸太郎、佑樹...栗山英樹が考える「甲子園スター」の育て方 (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

―― 清宮選手のポジションについては、DHもあり得るんですか。

「幸太郎をDHの選手にはしたくない。レギュラーポジションを勝ち取らなきゃダメだよ。オレは稲葉(篤紀)監督に、幸太郎を東京オリンピックに送り出すと約束している以上、来年は結果を残してもらわないといけない。王柏融も入ってきて、(中田)翔もいて、そういうプレッシャーをこっちが与えているなかで、さあ、どうしますかって話。単純にホームランを40本打てば、全部を越えられるんだし、そういう勝負ができる準備は終わってるよ」

―― もうひとりの甲子園のヒーロー、斎藤佑樹投手についてはどう考えていますか。

「そこも何とかしないとね。どこが佑樹にとって一番の居場所なのかなということはずっと考えてるんだけど......佑樹のトレーニングを見ていても、ようやく方向性が一定してきたかなとは思ってる。これをやろう、これもやってみようと新しいものを採り入れるのはいいんだけど、地道に続けてみないと変わらないこともあるし、年齢的に我慢して地道に続けることが難しくなってることもわかる。

 でも何かを信じて、とことんまでひとつのことをやり切ってみることが今の佑樹には必要だと思うんだ。彼の持っている勝負強さ、バッターを打ち取る感覚は今も変わらないと思うし、それを安心して発揮させられるところが先発なのか、リリーフなのか。その答えはもう一回、探してみるよ」

―― 甲子園のストーリーが持つ力と、プロ野球選手としての結果というものを、監督はどんなふうに両立させようと考えているんですか。

「甲子園のストーリーが、その選手の成長の妨げになっちゃいけないということ。プロ野球って、見たいと思ってもらえる選手がいないと成り立たないわけで、そのドラマも見たいと思わせる力のひとつだよね。佑樹の場合は甲子園のストーリーが成長の妨げになっているわけじゃない。だから、こっちも何とかしなきゃ、と必死になるんだよ」

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