栗山英樹は一刀流の大谷翔平に期待「野球の神様はアイツに味方してる」 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

── なるほど、バッターとしての地位を確立した1年目があったからこそ、右ヒジのトミー・ジョン手術に踏み切ることができた、と......。

「そうでしょ。結果が出ない、気づく、変える、結果を出す、というこのスピードが翔平のすごいところ。しかも、それを誰にも言わないで、自分で決断していく。ちょっとでも間違えたら狂っちゃうのに、そこで狂うことなく踏みとどまることができるのは、やっぱりアイツ、野球の神様が遣(つか)わした選手だからなのかなって......だって、結果的には間違わないようになってるんだもんね」

── 確かに開幕してすぐ、ピッチャーとしてもバッターとしてもメジャーで高いレベルにあることを示したことで、あっという間にアメリカに二刀流を認めさせました。

「向こうの人に『二刀流? そんなのムリでしょ』って言われたら、それでおしまいだったかもしれない。開幕からポーンと結果を出したから、周りがアイツのことを認めた。懐疑的だった目を、翔平は自分の力で覆し、証明した。そこが本当にすごいところだったと思うんだよ」

── 23歳でメジャーリーガーになって、1年目の大谷選手、本当に自信に満ちあふれた、堂々たる立ち居振る舞いに見えました。それは、監督が伝えたかったことがきちんと伝わっていたということになるんでしょうか。

「そうだったらいいんだけどね。オレは、大谷翔平が誰かに媚びてはいけない、お前はお前の王道を歩かなくちゃいけないというふうにアイツと約束した。高校生の翔平に、ウチに来て、早い時期にアメリカへ行って、そして世界一の選手になるんだよねって、そう話した。メジャーで用意されたレールに乗るんじゃなくて、日本だろうがアメリカだろうが、大谷翔平のレールを突き進むんだと思っていたから、アメリカへ行く時、まずは日本で培ったもので勝負すると思ってくれていたことは、やっぱり嬉しかった」

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