栗山英樹が驚いた大谷翔平の影響力。「抜けたからこそ勝ちたかった」 (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sportiva

── 8月3日、首位のライオンズとの直接対決、3連戦の初戦がターニングポイントになった感じはします。点リードで迎えた7回裏、守備固めで起用した石井一成選手の悪送球で逆転負け......あの3連戦は1勝2敗と負け越しました。

「あの3連戦がすべてというわけではないし、あの1勝2敗はその後の展開次第では取り戻せるものだったと思う。ただ、あの3連戦は狙いにいっていた勝負どころだったので、誰かのミスとか、そういうちっぽけな問題じゃなくて、どういう展開になったとしてもあそこをみんなで勝ち切れなかったことがすべてなんだよ。その責任は監督にある、という話ね」

── 最終的にはホークスにも抜かれて、3位で迎えたCSのファースト・ステージは札幌でなく、敵地の福岡で戦うことになりました。

「でも、あのCSで負けた時、『明日、また開幕してもいいのにな』って思ったんだよね。そんなこと、初めてだった。普通、CSで負けると疲れ切るんだけど、あの時は精神的にも肉体的にも余力があった。あのホークスとの第3戦を勝ち切る力はあったと思うし、あの試合を勝てば、もっと先にも行ける可能性は十分にあったと思う。だから、申し訳なかったという気持ちが残ったし、やり切ったという感じを持てなかったのかもしれないね......」

中編に続く

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