栗山英樹が驚いた大谷翔平の影響力。「抜けたからこそ勝ちたかった」 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sportiva

── チーム最多の11勝をマークしましたが、そのうち10勝が7月までの勝ち星でした。

「プロ野球の世界でレギュラーを獲る、ローテーションの3番手くらいまでに入るという選手にとって何が勝負どころになるのかといえば、疲れ切ったところでどうやって結果を出すか、ということなんだよね。元気な時には、ある程度の能力があって技術もあれば結果は出る。でも、ピッチャーだったら疲れ切ってダメなときにどうやって勝ちを持ってくるか、バッターだったら疲れ切ったときにどんなヒットでしのぐか。それが求められているということに、直は気づいたと思う」

── 打つほうに関しては......。

「攻撃に関してはもう少し頑張らなきゃいけなかったよね。バッターで、本当にいい数字だったねという人はいなかった。みんな、そこそこやったというのはあるけど、翔にしてもあんなものじゃないでしょ。そういうことも含めて、CSで負けてシーズンが終わった時、初めて全員を集めて言わせてもらった。『これがプロ野球なんだという本当のタフさ、本当の強さを身につけてほしい』って」

── 2018年シーズン、思ったよりうまくいったこと、思ったよりもうまくいかなかったことを挙げるとしたら、何でしょう。

「思ったよりもうまくいったことは......なかったかな。ここまで伸びてくれないかな、という選手に対する上限は、できるだけ高く持っているし、最悪、ダメだったときのこともかなり低くまで持っているので、そういう意味で意外だったことはないんだけど、誤算ということで言うなら、8月に入ったところまで(優勝争いに)ついてけていれば、"行ける"と思ってチームを進めてきたのが、8月になって、一番いい位置にいたはずなのに、そこで落ちちゃったってことかな」

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