いつか「AREA66」の後継者を。岡田幸文が故郷で目指す次なる夢 (4ページ目)

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Kyodo News

 10月8日、ZOZOマリンスタジムで行なわれた引退試合で、岡田は3本のヒットを放ち、これまでの呪縛が嘘だったかのような活躍を見せた。10年の現役生活で本塁打は0本のままだったが、それもどこか岡田らしかった。

「たかが10年ですけど、されど10年。まあ、いろいろありました。キャプテン、選手会長もやらせてもらって、そのなかでちょっとだけ野球の視野が広がったというか、野球以外のことも勉強になりました。選手が野球を一生懸命やるのは当たり前のことですけど、その裏では必ず誰かがサポートに回ってくれている。ロッテでは、球団スタッフの方とも集客のことでいろんな話もできましたし、そのなかで選手はもっと野球を楽しまなきゃ、お客さんに失礼だなと思えたんです」

 そう話す岡田の表情は、大きな重圧から解き放たれたように晴れ晴れとしていた。いつの日か"岡田二世"と呼ばれるような名手が、彼のもとから育ってくれることを願って、第2の人生で奮闘する岡田を、これからも見続けていこうと思う。

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