ヤクルト投手陣の秋は脱スパルタ。「再現性」をテーマに飛躍を誓う (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 山下令●写真 photo by Yamashita Ryo

「今シーズンは前半がダメで二軍に落ちて、その後、一軍でチャンスをいただいて活躍できたことはいい経験になりました。このキャンプでの個人的なテーマは、フォームの固定と再現性です。自分のピッチングフォームがわからなくなった時に、考えすぎることなく正しく自分の動きを再現できるようになること。それを意識してやっています」

 フェニックスリーグでは、左足と左肩の使い方に取り組み、それがうまく言った時に高津臣吾二軍監督の「それで150キロしか出ないのが不思議だよ。オレだったら160キロは出る」という言葉に"伝説"への夢が膨らんだ。

「あの時は意識しないと(体の使い方が)ダメでしたけど、練習を続けたことで今は無意識にできるようになりました。(高津監督から)そう言ってもらえたことは、いいフォームになったんだなと受け止めています。もっと速い球を投げたいですし、上を目指したいですから」

風張蓮(4年目/53試合/2勝4敗/防御率4.37)

 今シーズン、プロ4年目にして初勝利をマーク。

「昨年の秋は、基礎体力や1年間戦える土台をつくる練習でしたが、今回はそこに技術を上乗せするイメージで取り組みました。ピッチングやランニングで、体をどう動かして、どこに足をつけるかなど、今まで以上に具体的に考えてできていると感じています。僕自身は今年ようやく、プロとしてのスタートをきることができました。このキャンプの練習は10メートルもあれば再現きるメニューが多いので、さらなる向上を求めてオフシーズンにも継続してやっていきます」

原樹理(3年目/30試合/6勝7敗/防御率3.09)

 今シーズンは先発で5連敗を喫するなど、結果を残せず中継ぎへ配置転換。だが後半戦に先発に復帰すると目覚ましいピッチングを続け、プロ初完封も記録した。

「シーズン終盤のいいイメージを継続させるために、技術的なことをどこまで高めていけるかですよね。よく"気持ち"とか言われますが、メンタルは飛躍的に成長するものではないですし......。そういう意味で、キャンプのテーマである"再現性"と合致していると思います。自分のピッチングの仕組みを理解し、どういう動きをしたからよかったのか、また悪かったのか。そこを意識して取り組んでいます」

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