オリックスの主砲・吉田正尚はフルスイングについての誤解を解きたい (3ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

──吉田選手も今シーズン途中から四番を任されましたが、意識に変化はありましたか?

「高校や大学、全日本選抜でも四番を打たせてもらいましたが、僕の四番のイメージ像は、岡本選手や西武の山川(穂高)選手のような右打者なんです。福良(淳一)前監督からも、状況に応じて反対方向に打ったり、引っ張って進塁打を打ったり、打率も要求される三番的な役割を期待されているように感じました。だから、四番に入ってからも"三番バッターの延長線"という気持ちで打席に入っています。その意識があれば、どの打順に入っても適応できると考えています」

──あらためて、吉田正尚選手にとってフルスイングとは?

「僕のフルスイングを誤解している方もいらっしゃると思うんですよね。どんなボールがきてもブンブン振り回すイメージが定着しているんじゃないかと。全身を使ってバットを振り、ボールに強く当てることは意識していますが、しっかりコースを見極めて打っています。僕は空振りの三振が嫌いなので」

──背番号34に関してはこだわりがあるのでしょうか。

「入団時には9番を薦められました。ひと桁の番号は光栄だったのですが、その時に閃いたのが34番だったんです。日本では投手のイメージが強い番号ですが、メジャーリーグではワシントン・ナショナルズのブライス・ハーパーがいますね。そして、通算本塁打541本塁打を放ち、チームを2度の世界チャンピオンに導いた、元ボストン・レッドソックスのデビット・オルティス選手の存在も思い出しました。同じ左打ちで好きな選手でしたし、当時34は空き番号だったので付けさせてもらっています。ですから、ハーパー選手やオルティス選手のような、打者としてインパクトのある活躍がしたいです」

──最後に、来シーズンの目標を言葉で現してください。

「ずばり、『タイトル争い』です。出塁率などを含め、打撃に関するすべての部門でタイトルに絡みたいですね。あ、三振王は別ですが(笑)」

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