ドラフト総括。高校生大量指名の巨人に「長期政権」への布石を見た (4ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 そして今回、もっとも印象的だったのは巨人です。根尾、辰己を抽選で外し、八戸学院大の左腕・高橋優貴(投手/左投左打)を1位で指名しましたが、それ以降はすべて高校生です。このドラフトを見て思ったことは、「原(辰徳)監督は長期政権なんだ」ということです。任期が2~3年しかなければ、こんなドラフトはできません。おそらく5年後に黄金期を迎えられるチームづくりを今のうちからやっておこうということなのでしょう。

 2位の増田陸(明秀日立/内野手/右投右打)、3位の直江大輔(松商学園/投手/右投右打)、4位の横川凱(かい/大阪桐蔭/投手/左投左打)、5位の松井義弥(折尾愛真/内野手/右投左打)、6位の戸郷翔征(とごう・しょうせい/聖心ウルスラ/投手/右投右打)とそれぞれタイプが違い、素材としては面白い選手を集めました。現時点で評価はできませんが、可能性を秘めた選手たちであるのは間違いありません。

 ただ、個人的には高校通算75本塁打の山下航汰(健大高崎/内野手/右投左打)を育成で指名したのはどうかと......。彼のバッティングは、育成レベルではありません。どういう思惑で指名したのかわかりませんが、こういう選手を支配下で指名して、一流の打者へと育てるべきだと思います。

 いずれにしても、ドラフトの成否がわかるのは数年先。今はまだスタートラインに立ったに過ぎません。今回指名された選手のなかから、ひとりでも多くの選手が日本球界を背負って立つ存在になってほしいと思います。

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