2018.10.27

ドラフト総括。高校生大量指名の
巨人に「長期政権」への布石を見た

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 山野辺は浅村とはタイプが違いますが、野球IQの高い選手。イメージは、かつて西武で活躍した片岡治大(やすゆき/現・巨人二軍コーチ)にダブります。盗塁もうまいですし、右打ちもできる。非常に実戦力の高い選手です。

 粟津は全国的には無名ですが、右のサイドハンド投手で、キレのあるボールを投げます。うまくいったら、かつての高津臣吾(元ヤクルトなど)のように抑えを任せられるピッチャーになるんじゃないかと期待しています。

 そして森脇ですが、彼は非常に興味深い投手です。初球にフォークでストライクを取って、次に140キロ台後半のストレートでファウルを打たせ、最後にストライクからボールになるフォークで空振り三振。フォークボールの使い手で、必殺パターンを持っている。やや遅咲きだったものの、今年に入って一気にブレイク。即一軍で通用するだけのポテンシャルを秘めた投手です。

 チーム事情を理解し、弱点を補う補強をしたという点では、西武は今回の12球団のなかで1番じゃないでしょうか。

 このほか、いい補強をしたなと思うチームが楽天です。外れ1位で辰己、3位で将来のエース候補・引地秀一郎(倉敷商/投手/右投右打)を指名したこともそうですが、6位で元横浜高校の渡辺元智監督の孫・渡辺佳明(明治大/内野手/右投左打)、8位で鈴木翔天(そら/富士大/投手/左投左打)を指名したところに”うまさ”を感じました。

 渡辺は、圧倒的なバッティングがあるわけでもなく、守備も特別うまいわけじゃない。でも”野球勘”がすばらしいというか、実戦で力を発揮する選手。さすが、名将・渡辺さんの孫です。たとえば、相手投手が手痛い一発を打たれたあとの初球の甘い球を見逃さずに仕留めにいく。ものすごく視野が広い選手。起用し続ければ、いつの間にか欠かせない戦力になっている気がします。

 鈴木は、ヒジの故障さえなければ2位以内で指名されていても不思議ではありません。それぐらい能力の高い投手です。左から140キロ台後半のストレートを投げ込み、スライダー、チェンジアップは明らかに真っすぐと腕の振りが違うのにタイミングが合わない。どこまでケガが完治しているかわかりませんが、普通に投げられるようになれば、1年目から活躍できるでしょう。