王者・西武に死角はあるか。斉藤和巳が語るCS「下剋上への秘策」 (4ページ目)

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 かたや打線は、圧倒的な破壊力があります。チーム792得点と打率.273は、いずれも12球団トップ。さらに、レギュラーが「オール生え抜き」「オール日本人」で形成されているところも、打線の連帯感を生んでいるような気がします。

 それは、辻(発彦)監督の「ミスは大目に見るから、とにかく打ってくれ」というおおらかな方針が、プラスに作用した証拠でしょう。開幕してから打線が好調で、誰もが「いつか落ちるだろ」と予想したなかでも打ち続けた。その勢いをCSでも維持できるか? そこはとても楽しみなところです。

「いつもどおりの西武」を発揮するカギは、何と言っても秋山翔吾と源田壮亮の1・2番コンビの出塁です。

 源田はシーズンで9番を打つこともありましたが、CSでは2番に座るはず。132個のチーム盗塁数が物語るように、ふたりはバッティングのみならず機動力もあります。上位でチャンスを広げて浅村栄斗、山川穂高の強力クリーンアップにつなぐ、理想の形を数多くつくっていければ、順当に日本シリーズまで駒を進められるはずです。

 パ・リーグに関しては、2010年のロッテ以降、優勝チームがCSを勝ち抜いています。ただ、短期決戦は一発勝負の世界。去年のセ・リーグのように3位のチームが日本シリーズに進出しても不思議ではありません。

 投手陣の層が厚いソフトバンクが相手打線を抑え、一発が魅力の打線が機能する。日本ハムならば先発陣が踏ん張り、打線も機動力などの小技を駆使して粘り勝つ。それぞれのチームカラーを最大限に発揮することができれば、「下剋上」も十分に考えられます。それがCSの面白さです。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る