「青木宣親は別人になっていた」小川監督が明かすヤクルト再建の全貌 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 春のキャンプでは、「若い選手を育成することが、自分の使命だと思っている」とおっしゃっていました。

「うちはレギュラーの年齢が比較的高いのと、選手層も厚くない。なので、若い選手が試合に出られる環境にありました。そのなかで、一軍で実績のなかった風張(蓮)や中尾(輝)、梅野(雄吾)らを思い切って使うことができた。彼らが少しずつ結果を残し、もちろん打たれることも多いですが、これからに向けていい経験ができたんじゃないでしょうか」

―― 思い切った起用のなかでも、結果を残さなければ試合に出られないなど、厳しさもありました。

「たとえば野手に関しては、廣岡(大志)と西浦(直亨)を昨年の秋からずっとショートで競わせました。開幕のショートは廣岡が勝ち取り、西浦をファームへ落としました。そのなかで川端(慎吾)のケガで西浦を再昇格させたところ、爆発的な成績を残した。そしてそのタイミングで廣岡の結果が出なくなり、西浦がショートのポジションを勝ち取った。こうやって切磋琢磨することで本当の力がつくと思っています。そういう意味で、最初に課題としていたチームの底上げは、少しはできたのかなと感じています」

―― この先、CSがあるのですが、来年が待ち遠しくて仕方ありません。

「ただチームとして考えた時に、若い力とベテランの力をどう融合させるのか。すぐに若い選手を使えばいいというわけではないですし、今年は川端や大引(啓次)といったレギュラーだった選手が出たり、出なかったりで、気の毒な使い方をしてしまった」

―― 9月16日の広島戦では村上宗隆選手をスタメンで抜擢し、プロ初打席初本塁打を記録しました。

「来年のことを見据えて、厳しい経験をさせた方がいいという判断で、消化試合ではなくあの時期に起用しました。持っているものはすばらしいんですけど、来年、彼を使っていくタイミングが非常に難しいというか......(前回監督時の)2013年に田中浩康を外して、山田をセカンドに据えたのですが、これがなかなか自分の思うようなタイミングにはならないので。そこは非常に難しいですね」

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