広島1強を止めるセのドラフト戦略。
中日は根尾を捕手で獲得すべき!?

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

●阪神タイガース

 阪神というセ・リーグの象徴的なチームが弱くてはいけない。しかも最下位に低迷しているようでは、プロ野球界の繁栄にも関わってくる。

 そんな阪神を立て直す手立てはある。一にも二にも打線の強化だ。シーズン20本以上を打てる"大砲"が、少なくとも3人はほしい。イメージは、バース、掛布雅之、岡田彰布がバックスクリーンに3連発を叩き込んだあの頃だ。

 この3人以外にも当時の"猛虎打線"には真弓明信もいたし、佐野仙好もいた。クリーンアップ以外にも20本塁打打てる打者がいたから、相手バッテリーは気を抜く暇もなく、球数も増えていた。その結果、守備の時間が長くなり、相手野手陣は集中力を欠き、打ち損じを重ねていた。

 だが、今の阪神には一発で相手を脅かす選手がいない。広い甲子園で、オーバーフェンスすることがどれだけ大変なことかは理解している。とはいえ、リーグ最少の本塁打数とは......あまりにも寂しい限りだ。

 その筆頭候補だが、小園海斗(報徳学園/右投左打)を推したい。俊足巧打の遊撃手として注目を集めている小園だが、私は立派な"大砲候補"だと見ている。スイングスピードとミート力。タイミングが合った時の打球は、まさにスラッガーの弾道だ。久しぶりに30発打てる遊撃手への期待は高まるばかりだ。

 大学生では中山翔太(法政大/右投右打)だ。打球が描く雄大な放物線もさることながら、常に全力疾走、全力プレーの姿勢がすばらしい。地元・大阪の履正社出身とあって、甲子園でも人気者になりそうだ。

 打球の角度にスラッガーの資質を感じさせる龍幸之介(三菱日立パワーシステムズ横浜/右投左打)も注目の打者。渾身のフルスイングから放たれるライナー性の弾道は、まさに現役時代の金本知憲(現・阪神監督)と一緒。プロの配球にさえ慣れてくれば、20本以上は期待できる逸材だ。

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