広島1強を止めるセのドラフト戦略。中日は根尾を捕手で獲得すべき!?

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 広島"1強"時代に突入したセ・リーグだが、この勢いを止めるのは新戦力しかない。広島以外のセ・リーグ5球団にとって、今年のドラフトはある意味"大勝負"である。現在のチーム状況を分析し、本当に必要な戦力はどこなのか。セ・リーグのドラフト事情を見てみたい。

※各球団のチーム成績や個人成績は9月25日現在

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チーム事情から見たドラフト戦略~セ・リーグ編

注目のドラフト候補・大阪桐蔭の根尾昂は何球団から指名されるのだろうか注目のドラフト候補・大阪桐蔭の根尾昂は何球団から指名されるのだろうか●中日ドラゴンズ

 2013年から低迷が続いており、今やすっかりBクラスの常連となってしまった中日。チームにとって一番怖いのは、負けに慣れてしまうことだ。とにかく、チームの雰囲気を一変できるような人材がほしい。

 そういうムードを漂わせているのは、今年なら根尾昂(ねお・あきら/大阪桐蔭/右投左打)しかいない。愛知の隣、岐阜出身ということも大きな力になるはずだ。

 夏の甲子園が終わり、その後に開催されたU18のアジア選手権でも、ほかの選手がヘロヘロになってプレーしているなか、いつもと同じテンションで野球と向き合っていた。中日がほしいのは、そうした"覇気"だ。

 なにより大事なのは育成法。根尾のようなタイプの選手は、二軍でじっくりというより、無理してでも一軍で使った方が成長のスピードは速い。ただ、問題はポジションだ。

 外野手として起用するのは簡単だが、根尾の野球への情熱、欲求を考えれば、チームの弱点に彼を置くという手もある。そのポジションはキャッチャーだ。根尾が持つ野球センスと身体能力、強い精神力、野球脳......たとえ未経験のポジションでも簡単に乗り越えてしまうだろう。いずれにしても、チームにそれぐらいの覚悟がないと立て直しは難しいかもしれない。

 根尾以外では、やはり投手がほしい。イチ押しは、栗林良吏(りょうじ/名城大/右投右打)と富山凌雅(りょうが/左投左打/トヨタ自動車)の"地元枠"のふたり。ともにボールにキレがあり、三振を取れる投手。とくに中日の投手陣は高齢化が進んでおり、こうした活きのいい投手は絶対に必要だ。

 そこに最速155キロ右腕の生田目翼(なばため・つばさ/日本通運/右投右打)が加われば、投手王国だって夢ではない。

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