パ・リーグ6球団のいま本当にほしいドラフト候補は、この選手たちだ (6ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

●埼玉西武ライオンズ

 実に興味深いチームである。今季パ・リーグを独走し、優勝目前の西武。12球団屈指の攻撃力を誇り、753得点は堂々のトップ。その一方で、チーム防御率4.32は断トツのリーグ最下位である。充実しているのは一軍のレギュラー野手陣のみで、そのほかの部分については、とても心細い。

 ファームも低迷しており、虎視眈々と「一軍の主力になってやる!」というイキのいい若手も見当たらない。

 第一の補強ポイントは投手。とくに先発は、今オフ菊池雄星のメジャー挑戦が噂されており、即戦力がほしいところ。

 筆頭は上茶谷大河(東洋大/右投右打)。チームの絶対的エースとしてマウンド経験も豊富で、2ケタ勝利も期待できる剛腕投手だ。

 ただ、上茶谷は重複する可能性も高く、もし抽選で外れたとしたら、ここはハンパな即戦力ではなく、180度方向転換して「将来の大物」を狙いにいくべきだ。イチオシは地元・浦和学院の渡邉勇太朗(右投右打)。この夏、甲子園でも活躍した身長190センチの大型右腕だ。まだまだ伸びしろがあり、球界を代表する投手になる可能性を秘めた逸材だ。

 1位指名はもちろん、少なくとも3位までは投手を指名したいところ。社会人には岡野祐一郎(東芝/右投右打)、温水賀一(大阪ガス/右投右打)、高橋拓巳(日本生命/左投左打)といった即戦力候補がおり、大学生にも高橋優貴(八戸学院大/左投左打)という好左腕がいる。

 さらに「常勝・西武」を復活させるなら、今のうちからファームで徹底的に鍛えておきたい。育成ポイントはスバリ、捕手と内野手だ。

 捕手なら戸高誠也(九州国際大付/右投右打)、土井克也(唐津商/右投右打)、内野手なら藤田希和(きより/福知山成美/右投左打)あたりが面白い。

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