パ・リーグ6球団のいま本当にほしい
ドラフト候補は、この選手たちだ

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

●北海道日本ハムファイターズ

 日本ハムといえば、「いちばん選手を1位指名する」という信念のもと、これまでダルビッシュ有、中田翔、大谷翔平など、アマ球界の大物を積極果敢に指名し、獲得してきた。

 ならば、今年の「ナンバーワン選手」は誰か? 私は根尾昂(大阪桐蔭/右投左打)と見る。

 夏の甲子園のあとに開催されたU18のアジア選手権。ほとんどの選手が疲れから本来のプレーを発揮できないなか、唯一、甲子園と同じテンションで向き合っていたのが根尾だ。プレーの精度はもちろん、野球に対する真摯な姿勢は尊敬に値する。

 さらに日本ハムには、昨年のドラフト1位・清宮幸太郎がいる。根尾と清宮のふたりが同じチームにいたら、どんな化学反応を起こすのだろうか。想像しただけも胸が躍る。

 チームの現状を見ると、手薄な先発陣を確実に補強したい。長いイニングをコンスタントに投げられる投手の獲得は急務だ。

 候補として挙げたいのが、中村稔弥(としや/亜細亜大/左投左打)、山上大輔(立命館大/右打左投)の大学生ふたりに、今季急成長中の板東湧梧(JR東日本/右投右打)。3人とも球威があり、大崩れしないタイプで、即戦力として期待できる。

 一軍は優勝争いできる戦力を誇るが、二軍に不安を抱える。「計画的な補強・育成」を標榜する球団にしては、ここ数年ファームは精彩を欠いている。今季もイースタンリーグでは首位の巨人に30ゲーム差近く離されて、最下位に低迷する。

 メンバーも将来的にチームの中心になるべき存在に乏しく、3~5年先のチーム構成が見えない。ここは将来性のある高校生野手を積極的に獲りたいところ。

 高校時代に清宮とクリーンアップを組んでいた野村大樹(早稲田実業/右投右打)を筆頭に、昨年からチームの4番を任されている野村佑希(花咲徳栄/右投右打)、バッティングセンス抜群の外野手・山下航汰(健大高崎/右投左打)、走攻守三拍子揃った大型外野手・湯浅麗斗(れいと/生光学園/右投右打)など、可能性を秘めた打者は多い。

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