巨人のメルセデスが語る投球の心得。
背番号026から夢の51を目指す

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

 クライマックス・シリーズ(CS)進出争いの真っ只中にある読売ジャイアンツにおいて、育成出身のドミニカ人左腕、クリストファー・クリソストモ・メルセデス(24歳)の活躍が目立っている。

 今季の7月に支配下登録されてから25イニング無失点を記録するなど、ここまで防御率1.62と安定したピッチングで5勝(3敗)を挙げている。好物のチャーハンを力にしてチーム内の厳しい外国人枠争いを生き残り、左のエースへの階段を上り始めたメルセデスに、好調の要因や今後の展望などについて直撃した。

7月から9試合に先発し、5勝を挙げているメルセデス7月から9試合に先発し、5勝を挙げているメルセデス──ここまで好調な理由はどこにあると自身で分析していますか?

「常にメンタル面やフィジカル面でリラックスすることを心がけていて、それが維持できていることが要因だと思っています。野球選手は好不調の波がありますが、そこで崩れないことを大切にしています」

──メルセデス投手の投球は、すごくテンポがいいように思えるのですが。

「もともとテンポよく投げることは意識していましたが、コントロールが安定したことも幸いしていると思います。ボールが先行してしまうと、どうしてもリズムが悪くなって投げ急いでしまう。僕のピッチングテーマは"少ない球数で長いイニングを投げる"ことなので、コントロールとテンポは生命線ですね」

──そもそも、少年時代からピッチャーだったんですか?

「野球を始めたのは6歳ぐらいです。家の前に空き地があって、そこで近所の友達とキャッチボールなどをしていました。子どもの頃は遊びだったのでキャッチャーも内野も外野もすべてやっていましたが、本格的にピッチャーをやり始めたのは中学生くらいからだったと思います」

──現在の球速は150キロ前後ですが、その頃からストレートには自信があったのですか?

「当時はストレートとカーブしか投げられませんでしたが、自信はありましたね」

──高校を卒業後、タンパベイ・レイズ傘下のマイナーを経て2016年にカープアカデミーに入りましたが、そこで学んだことは?

「球数を多く投げることですね。それまでとは違い、ブルペンで連日100球以上を投げました。最初は戸惑いもありましたが、おかげで肩に持久力がつきました」

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