引退示唆の村田修一に提案。中南米から「世界の盗塁王」のようになれ (3ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • photo by Kyodo News

 今シーズンについては、栃木でシーズンをまっとうすると言う。「ならば......」と、私は思う。「本当に納得いくまで、野球を続ければいい」と。

 アメリカでは、メジャー球団と契約できず、数年を独立リーグで過ごしたのちにメジャー復帰することなど珍しいことではない。

"世界の盗塁王"リッキー・ヘンダーソンは、2002年のシーズン後にボストン・レッドソックスをリリースされると、独立リーグに籍を置きながらプレーし、翌年のシーズン途中にロサンゼルス・ドジャースと契約を交わしメジャーに復帰した。

 村田が所属するルートインBCリーグのレギュラーシーズンは9月に終わる。現状、栃木のポストシーズン進出は難しいので、ここで村田の現役生活は終わることになる。

 しかし、「まだプレーできる」「まだプレーしたい」という気持ちが少しでも残っているのなら、10月末から始まる中南米のウインターリーグに参加すればいいのではないかと。

 現地に行けば、村田と同じように行き場を失った選手がゴロゴロいる。彼らは自らの境遇を嘆くこともなく、野球選手であることに誇りを持ってプレーに励んでいる。選手層に幅があるが、ウインターリーグのトップレベルは、NPBと比べても遜色はない。ここで準備をして、来年にどこかの球団からオファーを待ってもいいのではないだろうか。

 むろん、去就については村田自身が決めることである。家庭を持つ一家の大黒柱でもある。それを知っていながらも、こんなことを考えてしまうのは、村田のプレーがまったく色褪せていないからにほかならない。

 いずれにしても、あと数カ月、村田のプレーを目に焼き付けたいと思う。来年の春、どこかの球場で村田がひょっこり現れることを期待しながら......。

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