プロ野球「一軍・二軍ボーダーラインの心理」。ヤクルト谷内亮太の場合 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

「石井コーチが『こんな練習の仕方もあるんじゃないか』って。今こうして"壁当て"をしていると、昔よくやっていたことを思い出しました。子どもの頃は狙ったところに投げるという具合にピッチャー目線でやっていました。捕球の基本もわからなかった頃なので、遊び感覚でしたよね。今は捕球をより正確にするために取り組んでいます」

 そんな谷内を見ていて、ふと2年前のことを思い出した。それについて谷内に聞いてみた。

―― 2年前、死球により右手を骨折。あのシーズンは開幕から23試合で打率.300と好調を維持し、プロ4年目でレギュラーの座をつかみかけていました。

「うーん、痛いのは痛かったです。自分のなかでもノッテる段階でしたので。ただ、あのケガがあったから、今の考えでやれているのかなと思っています。死球による骨折が原因でレギュラーを逃したという考えは一切ないです」

 6月25日、谷内は二軍降格を通告されるも、7月6日に再び一軍の舞台に戻ってきた。このチャンスを機に「10月に笑っていられる選手」となれるのか。谷内の戦いはまだまだ続く。

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