ホームラン歴代3位・門田博光の
「清宮幸太郎分析」がおもしろすぎる

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ただ、よくよく考えると、まだ清宮は高卒1年目のルーキーである。そのことを門田に伝えると、少し表情を緩めこう言った。

「今の子は、ませているから、オレらの頃の24、25歳みたいなもんやないか。それにオレは高校時代にホームランを1本も打ってなくて、社会人からプロやったけど、彼は高校のときに100本以上も打ってるわけでしょ。それなりの持論も持っとるやろうし、スタートの段階から違うよ」

 となれば、少々数字が残らなくても一軍で経験を積ませながら育成するのが、門田の望むところなのか。

「そうやね。ある程度のレベルにあるヤツは、試合に出てうまくなるのと、いい手本を見てうまくなるのと、2通りの上達法がある。これだけの素質を持った選手なら、我慢してでも一軍に置いて育てた方がいいと思う。

 ただ、クリ(栗山英樹監督)もいろいろと考えて決断したんやろうし、なら清宮が今の時間をどう過ごすかが大事やろう。二軍で打ったってプロの世界は仕方ないんやから、そんなことより二軍で野球をすることに惨(みじ)めさを感じてほしい。それができたら、今の時間が彼のなかで大きな財産になっていくはずや」

 一軍再昇格を果たしたとき、門田も認めた天性のアーチストの実力を発揮するのか。そのときが待ち遠しい。

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