ヤクルトに献身する坂口智隆。バレンティンも「グッチとは通じ合う」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 後日、坂口は石井コーチと雄平の真剣なのに"コントの一場面"のようなティーバッティングをニコニコしながら眺めていた。苦しい戦いが続くチームにあって、こういう明るさも献身のひとつなのだろう。

「(ニコニコしていたのは)僕の性格じゃないですかね。まあ、琢朗さんも雄平くんも明るいので、そんな感じになるんじゃないですかね(笑)」

 そう語る坂口だが、自分の順番がくれば表情に厳しさが戻る。試合が始まれば、ひたむきなプレーでチームの勝利に少しでも貢献しようとする姿勢に、選手たちからの信頼も厚い。バレンティンは言う。

「グッチ(坂口の愛称)は、最初に会ったときから通じ合うものがあって、自分と同じというか......言葉にするのは難しいんだけど、そういう存在なんだ」

 ヤクルトに移籍して3年目。坂口は押しも押されもせぬ"ヤクルトの顔"になりつつある。

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