2018.06.01

大家コーチがDeNAの若手を変える、
カットボールと10分ブルペン

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by(C)YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

 京山は頭のいいピッチャーですし、何かを与えさえすれば、使い方を何種類も考えることができる。まあ、子どもの頃から知っている選手ですし、そこに関しての心配はまったくしていませんでした」

 実は、京山は中学時代、大家がメジャーでプレーしているときに設立した草津シニアに所属しており、古くから知る間柄である。

 また、大家の発案で春季キャンプからファームで行なわれているのが"10分間ブルペン"だ。1回のブルペンを10分で区切り、希望すればもう10分投げることができる。10分間で投げられるボールは約40球。物足りなさを感じるのではないかと思うが、メジャーではこれが主流だったという。この"10分間ブルペン"を導入した意図を、大家は次のように語る。

「10分が基本ですが、スケジュールや状態を確認しながら20分投げたいという選手がいれば認めています。それも含めて選手たちと密にコミュニケーションが取れますし、彼らにとっても自分の状態をしっかり把握できるようになったので、一定の成果はあると思います」

 まずは自分の状態を管理し把握する。考える力を育てるという意味でも、非常に効果的なやり方と言えそうだ。

「ダラダラやってもしょうがないですし、目的を持って、10分間という時間を大切にしてほしい。わずかな時間しかないなかで、どのような準備をしなければいけないのかというところにまで考えが及んでくると、より効果はアップすると思います」

 大家はアメリカ時代、特にマイナーでは長時間のバス移動があり、到着後すぐにゲームということも少なくなかった。わずかな準備で最高のパフォーマンスを発揮するにはどうすればいいか、苦心してきた過去がある。それゆえの"貴重な10分間"というわけだ。

「その作業の繰り返しが、引き出しの多さにつながってくるんです」

 大家はアメリカに渡り、ブレイクスルーを果たしたわけだが、自らの道のりを鑑(かんが)み、言葉は適切ではないかもしれないが"一流"と"二流"の差は、どういった部分に表れると考えているのか。