松坂大輔を見て思い出す、プロ野球「記憶に残る復活投手」ランキング (5ページ目)

  • キビタキビオ●文 text by Kibita Kibio
  • photo by Kyodo News

6位 館山昌平(ヤクルト) 

【ケガの内容:右ヒジ靭帯断裂(2004年のプロ入り1回目)】
【復帰後の主な成績:12年262登板、85勝63敗】
【獲得タイトル:2009年・最多勝】

手術回数ナンバーワン

 2000年代に入ると、手術の技術やリハビリのノウハウが蓄積されてきて、より前向きな空気で手術が行なわれるようになった。ダルビッシュ有や、ベテランの域になって日本球界復帰を果たした和田毅なども手術を経験しており、選手側の抵抗感も薄れつつある。

 ただ、そんな時代にあっても、異常なほどの手術の回数を重ねているのが館山昌平だ。

 日本大学時代にすでに右肩の手術を経験した館山は、プロ入り直後の2004年に右ヒジを痛めてトミー・ジョン手術を実施した。その後は安定した成績を残していたが、2013年に再び右ヒジを痛めて手術。その手術の状態が思わしくなく再手術となり、2017年秋にはまたもや肩とヒジにメスを入れた。

 血行障害などの手術も含めると、これまでの手術回数は通算9回にも及ぶ。それでも館山は、その都度"不屈の闘志"で復活してきた。2009年には16勝で最多勝を受賞し、2015年に復活した時には3カ月で6勝を挙げる活躍でリーグ優勝の原動力となっている。

 そして、昨秋に右ヒジと右肩の手術を行なって迎えた今シーズンも、自らの計画どおりにシーズン開幕に合わせて地道に調整し、復活。球界に残る"松坂世代"のひとりが、2年ぶりの白星を目指している。

(5位から1位のランキングに続く)

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