藤浪晋太郎が、コントロール、フォーム、今の心境を語るインタビュー (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 市川光治(光スタジオ)●写真 photo by Ishikawa Mitsuharu(Hikari Studio)

── となると、理想のフォームに向けて、あとはどこを修正していこうと考えていますか。

藤浪 いろいろありますけど、トップをつくるタイミング、右足の溜め、体重移動していくときのグーっといく割れのタイミング、左足をついてからの間、リリースでの力の集約......そのあたりが基本的なポイントになってきます。

── コントロールというところはピッチャーにとっては永遠のテーマだと思いますが、藤浪投手は以前、高校2年の夏が終わってからフォームがバラバラになって、ストライクがまったく取れなくなったと話していたことがありました。そこから立ち直って、甲子園での春夏連覇を成し遂げるわけですが、そのときに取り組んだ練習を覚えていますか。

藤浪 あのときはもう、ガムシャラでしたね。高校生ですから考えも浅いし、とにかく投げるということしかできませんでした。その時期の自分なりに、いろんなフォームを考えては投げて、また考えては投げて、ここを直した、あっちを直したと、あれこれ取り組んでいるうちに何かがハマったんだと思います。

── あのとき、コントロールを取り戻したことが、今の藤浪投手の支えになっているということはありますか。

藤浪 それはありますね。あのときは本当にフォームが崩れて、バッターと勝負できるような状態じゃなかったんです。高校2年の夏に大阪大会の決勝で負けて、1週間ぐらい、ボーっと過ごして、いざ投げ始めてみたら、まったくコントロールが利かない状態。もうどうしたらいいんやろうと絶望的な気持ちになったのを覚えています。

「このまま終わっていくのかな」みたいな状態から、パッと戻ってこられて、秋にはなんとか投げられるようになった。で、センバツに選ばれて、勝てた。夏も大阪で勝って、甲子園でも勝てた。あの1年は、挫折から戻ってこられたという意味で、今も僕の自信になっています。

── では、今の藤浪投手が自信を取り戻すために必要なことは何なのでしょう。

藤浪 もちろん、今もいろいろ考えて、高校生のときにはできなかった体幹トレーニングをしたり、いろんな研究している人に話を聞きに行ったり、次元の高いアプローチはできているはずなんですけどね。高校のときはガムシャラに数をこなして戻したイメージですけど、今は質を上げて戻そうとしている感覚ですね。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る