2018.03.20

DeNA光山コーチの原点は
「仰木監督・叱られる中村武志・少年野球」

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by(C)YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

 西武はそのオフ、主力捕手の細川亨(現・楽天)がFAで移籍。若い炭谷銀仁朗も開幕前のケガによるブランクが不安要素だった。層が薄くなった捕手陣を立て直す役目が、新バッテリーコーチに求められた。

「2011年は炭谷が中心でしたけど、2人目に星(孝典)、3人目に上本(達之)がいて、この3人をできるだけ出場させるようにしました。たとえば、西口(文也)には上本をつけて、今の濱口(遥大)と高城(俊人)と同じように……。たぶん、星と上本はその頃がいちばん給料上がったんじゃないかと思います」

 DeNAの捕手3人体制、その原点と言うべきものを、光山はすでに西武でつくっていた。と同時に、初めてプロのコーチを務めて得られたものがあるという。

「感覚は、僕らが現役でやっているときと変わらないということです。時代が違っても、気持ちは、うまくなりたい選手と、うまくならせたいコーチとで変わらない。100年先も、100年前も変わらない。それは少年野球からプロ野球まで同じなんだ、ということを今も大事にしています。一生懸命にやり続けても、そこに気持ちがなかったらどうしようもないですよね」

 12年途中から作戦コーチも兼任した光山だが、13年オフに渡辺が辞任すると退団。再び野球解説を経て現職に至る。DeNAで3年目を迎えるバッテリーコーチに、理想の指導者像を尋ねてみた。

「理想というか、頭の隅っこにあるのは仰木監督です。嫌いやったはずなんですけど、こういうとき『仰木さんやったらどうしたかな』と考えることはあります。あの采配がすごいんですよ。ピッチャーを代えたら絶対に抑えるし、左バッターに右ピッチャー当てたり……。西武戦で右の秋山(幸二)さんに左の遅いピッチャー当てたこともありました。代打も使えば当たる。すごいな、と思ってたんです」

 ベンチに入れた選手を生かし切り、奇策に見えるものも成功を続けて神秘性を帯びたとき、その采配ぶりは”仰木マジック”と呼ばれた。光山に”マジック”はないとしても、3人の捕手を生かし切る策には通じるところがあるのではないか。

つづく

(=敬称略)

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