各球団スカウトが「獲り逃がした!」と悔しがるDeNA2年目の正体 (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Kyodo News

 決して150キロ近いスピードが出るわけじゃない。しかし、ボールに角度があって、相手打者を圧倒できる強さがある。堂々とストライクゾーンで勝負できるから、ピッチングの組み立てができる。

 そして2年目の春。2月のキャンプ中盤での韓国プロ野球・ハンファとの練習試合。京山は先発して3イニングを1安打、無失点に抑える好投をみせた。

「スライダーもフォークも、納得のいくボールがなかったんで......あの変化球やったら、日本の打者にはやられます。ランナーを置いたときにサッと追い込めるか......クイックもまだまだですし......」

 反省材料ばかりを並べたところに、京山の成長がうかがえる。「ちょっとやそっとのピッチングでは満足しませんよ」という姿勢をアピールしたかったのかもしれない。

 ある球団関係者は次のように語る。

「同世代で同じようなタイプの綾部翔(あやべ・かける)がいるのが、お互いいい刺激になっていますね。競争しながら、ふたりとも早く出てきてほしい......って言いたいですけど、プロはそこまで"青春ドラマ"じゃないですから。競争は熾烈なものになると思います」

 猛烈な腕の振りを武器に、厳しい競争を勝ち抜くことができるのか。2年目の京山将弥に期待したい。

◆山本昌はDeNAのドラフト1位・東克樹をこんなに高く評価していた>>

◆山本昌はプロ入り前のDeNA京山将弥をどう評価していたか?>>

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る